【http://hawaii.sys.i.kyoto-u.ac.jp/~oba/】までを、【http://ishiilab.jp/member/oba/】に変更してください。
生命現象や人間知能を情報処理システムとして理解するための手法とその応用について講述する. 具体的には,脳・神経系における認知情報処理過程の数理モデル,不確実環境における最適な行動決定のための計算原理,とくに最適行動方策獲得を目的とした強化学習の理論,生命情報学データへの統計的アプローチなどについて講義する.
確率的に遷移し,かつ報酬が得られるような環境への適応アルゴリズムである強化学習の理論について解説する.またロボット制御などの工学応用,ヒトの脳内情報処理モデルについて議論する.
脳が,予測に基づき外界からの情報を表現しているとする予測コード仮説を一つの題材として,計算神経科学の考え方を紹介する.
高次元少量データから有用な特徴を抽出するための統計的手法,とくに行列やテンソルの因子化表現による実世界モデリングの方法を解説する.またこれら手法と脳におけるスパースコーディング仮説との関連について議論する.
脳に学んだ統計的学習理論の生物学応用として,バイオインフォマティクスがある.遺伝子発現量解析を題材として,統計的バイオインフォマティクス の現状について紹介する.
脳神経系は,自然が物質基盤の上に情報基盤を構築した点で特異的なシステムである.計算神経科学とは,脳神経系の情報システム的側面を明らかにしようとする学問分野である.本講義では,不確実な環境においても適切に情報処理を行い,また環境に適合(学習)することのできる脳神経系について,その情報処理・学習過程のモデル化,および情報処理過程の応用について講述する.
人間の知的活動のモデルとして様々な知能型システムが提案されている.この講義では,複雑な問題における最適解を求めるための手法として, 状態空間の探索による問題解決,アルゴリズムである分枝限定法などを講述する.また,例題からの機能の獲得を行う機械学習法である,強化学習,教師あり学習,教師なし学習について,基本的事項と応用例を講述する.
例題から入出力関係を学習する教師あり学習について,その最も簡単なモデルであるパーセプトロンからはじめ,学習法の基 礎を与える最小自乗法,勾配法による非線形最適化などを含めて講義する.複雑な入出力関係を学習できる多層パーセプトロンとそのための誤差逆伝播学習法について紹介する.また,線形判別分析を拡張したサポートベクトルマシンについて紹介する.
例題からその特徴を抽出する,あるいは例題の分布特性を学習する教師なし学習について,確率モデルの統計的推定に基づく基本的な考え方と,行列因子化,クラスタリングなどの応用について講義する.また,ベイズ推定に基づく手法についても紹介する.
数理統計は,偶然性の支配する様々な現象において,観測や調査によって得られたデータにもとづいて推論し予測を行う数理的方法を提供している. この講義では,それらの方法の基礎的な事項について解説する.
母集団と標本,無作為抽出,層別無作為抽出,母平均,母分散,標本平均,標本分散,不偏分散,統計的推測の考え方
正規分布,カイ二乗分布,F分布,t分布
点推定,区間推定,信頼係数,正規母集団の平均・分散の推定,2標本の平均差・分散比の推定など
帰無仮説,対立仮説,有意水準,第一種の過誤と第二種の過誤,母数に対する仮説の検定(正規分布の平均,分散など),適合度検定,分散分析の考え方